統計力学2

理学部物理学科専門教育科目, 大阪大学, 理学部, 2026

専門科目、水曜日2限、理D303教室

CLE授業支援システム このページ

スケジュール

10月7日
イントロ: 統計力学2で学ぶこと
縮退した気体と粒子の統計性: 自由粒子におけるエントロピーの破綻

10月14日
縮退した気体と粒子の統計性: 波動関数の対称性と粒子の統計性、占有数とボース分布関数、フェルミ分布関数

10月21日
縮退した気体と粒子の統計性: 占有数とボース分布関数、フェルミ分布関数
理想フェルミ気体: 理想フェルミ気体としての金属中の電子

10月28日
11月11日
11月18日
11月25日
12月2日
12月9日
12月16日
12月23日
1月6日
1月13日
1月20日
1月27日
2月3日

Quiz

解答はCLE経由で提出すること。手書き文書のスキャン、Word文書、Tex文書など形式は問わないが、 最終的に提出時には一つのpdfファイルにまとめて提出すること。 基本的に提出締め切りは、出題日の一週間後の10時30分とします。

Quiz 1(10月14日出題)
\( N=2 \)の相互作用しないスピン\(s = 1/2\)のフェルミ粒子系で、 一粒子固有状態として基底状態\( k=1 \)と第一励起状態\(k=2 \)を考える。 一粒子波動関数は空間部分\( \phi_k(\boldsymbol{q}_i) \)とスピン部分\( \chi_s(\sigma_i)\) の積で表すことができる。 \( s \)はスピンのz成分の値に応じて\( s=\uparrow, \downarrow\)の2状態をとる。 また\( \boldsymbol{q}_i , \sigma_i \)はそれぞれ\(i\)番目の粒子の位置座標、スピンをあらわす座標である。

  • このとき占有数は \( (k=1, s=\uparrow) \)、\( (k=1, s=\downarrow) \)、\( (k=2, s=\uparrow) \)、\( (k=2, s=\downarrow) \)の4つの状態に対して考えることができる。 すべての状態を占有数をつかって書き下せ。(すべての状態は6状態ある)
  • \( (k=1,s=\uparrow) \)と\((k=1,s=\downarrow) \)に一つずつ粒子が占めている状態は二粒子での基底状態である。完全反対称な波動関数を具体的に書き下せ。(ヒント: Slater行列式で表現しても良いし、空間部分は同じ状態しか存在しないので入れ替えに対し対称に構成するしかなく、スピン部分が反対称性を担うと物理的に考えて書き下してもよい。)
  • 二粒子系の第一励起状態は、一つの粒子が\( k=1 \)、もう一つの粒子が\( k=2 \)にあり、スピンは 4通りの組み合わせがある。 スピン部分が反対称で空間部分が対称な一つの状態と、スピン部分が対称で空間部分が反対称な三つの状態の波動関数を それぞれ書き下せ。

評価

平常点(40%)、および期末試験(60%)で評価する。平常点は、適宜出題する小レポート(Quiz)の提出状況で評価する。 シラバスを参照すること。

参考書、参考文献

  • 湯川諭「統計力学」 (日本評論社、2021) (正誤表がhttps://stsykw.github.io/StatisticalMechanics-support/にあります。)
  • 田崎晴明「統計力学I,II」(培風館、2008)
  • 高橋和孝「熱力学・統計力学 熱をめぐる諸相」(講談社、2023)
  • 清水明「統計力学の基礎I」(東京大学出版会、2024)

演習書

  • 久保亮五編「大学演習 熱学・統計力学」(裳華房、1961)

スピン・統計定理

  • 井田大輔「現代量子力学入門」(朝倉書店、2021)

実在気体

  • 戸田盛和・松田博嗣・樋渡保秋・和達三樹「液体の構造と性質」(岩波書店、1976)